なぜ、深煎りに焙煎されていることが多いのかというと「人間の味覚は冷たくなると酸味を強く感じやすく、逆に苦味を弱く感じる」ことが関係しています。
また、五味(甘・酸・塩・苦・辛)のなかで涼感を覚えるのは苦みです。暑い夏に上品な苦みを楽しむのにアイスコーヒーはまさにうってつけです。
アイスコーヒーは当然、冷たい飲み物ですから、同じ濃度ならば、ホットコーヒーよりかなり苦みがうすく感じられます。
なので、冷たくても程よい苦みを出すためにコーヒー豆は深煎りで、しかも濃いめに抽出します。
そして、アイスコーヒーによく合う豆は肉厚のコーヒー豆を深煎りにしたものがベストです。ケニア、タンザニア、コロンビアの深く焙煎したものがアイスコーヒーによく合います。
●深煎りの豆はテカテカと黒光りしているのか?
アイスコーヒー用の深煎りにした豆はテカテカと黒光りしているのが特徴です。
これは「コーヒーオイル」と呼ばれる油脂です。
深煎りにすることで細胞が大きくなり豆の表面に浮いてきますが、品質には問題ありません。焙煎している直後からオイルが出はじめ、煎りたてであってもテカリがあります。
缶や瓶に保存しているとオイルが付きますので、その時はティッシュできれいに拭き取るようにしてください。そのまま放置しておくと嫌なにおいがしてきます。
コーヒーミルについたときもきれいに拭き取るようにしてくださいね。